閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

2007-03-21から1日間の記事一覧

暗渠の宿

西村賢太(新潮社,2006年) 評価:☆☆☆☆ - 「けがれなき酒のへど」,「暗渠の宿」の二編を収録.158ページ. 極めて悪趣味な露悪と自虐に満ちた反時代的私小説.破滅型人生への文学的自己陶酔に満ちた内容は,現代においては純文学的というよりはむしろつっ…

天窓のある家

篠田節子(新潮文庫,2006年) 評価:☆☆☆★ - 九編の小説を収録する短編集.中年世代の不安,特に家族の問題を女性の視点から描いた小説が多いが,いかにも篠田節子らしいSF的な発想の作品も含まれる.僕が読んでいる現役の娯楽小説の書き手の中では,篠田節…