つかこうへい(角川文庫,1986)
ISBN:4041422256
評価:☆☆★
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
和田誠のイラストが洒落ている.
『蒲田行進曲』の続編の『銀ちゃんが行く』に出てきたような非現実的レベルでこまっしゃくれた幼稚園児の娘が『スター誕生』にも出て行く.つかの幼女への倒錯的な思い入れ,気持ち悪い.
つかは面白いけれど,ぷんぷんと臭気を放つ弱ったらしい人間の醜悪さをしつように露悪的に描写することで,そうした弱い存在を物語の力で美しいものに転化しようというパターンのものが多いように思える.つかの作品の露悪趣味,偽悪趣味は,典型的意味での偽善の裏返しであるように僕には感じられ,スピード感ある文体にひきずられ一気に読み終えつつも,いつもどこかざらざらとした不快な読後感に捕らわれる.