平山秀幸はそつなくうまい.物語の構成はスマートだけど,演出に若干単調さ,類型を感じた.
この映画では娘役の野波麻帆のこまっしゃくれた演技が鼻についたし,母親とその娘の二役を演じていた原田美枝子の演技もあまり好きでない.虐待のシーンのおぞましさは,心臓に悪く,後味も最悪.悪趣味に走りすぎのような感じも.最後にある母との再会シーンの緊張感には引き込まれる.エンドロール直前の台湾のサトウキビ畑の風景はカタルシスとなるものであるが,あの殺伐とした再会シーンで終わってもよかったのではないかという気がしないでもない.