- 製作年度:2004年
- 製作国:日本
- 上映時間:110分
- 監督:張加貝
- 原作:李小牧
- 脚本:神波忠男 、南木顕生
- 出演:チューヤン 、山本太郎 、坂井真紀 、舞の海 、ガッツ石松
- 評価:☆☆☆★
- 場所:テアトル新宿
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夜九時二十分からのレイトショーのみの上映.しかもすぐ横のガス工事の騒音が上映中に鳴り響く.客は両手の指の数にも満たなかった.しかし映画自体はそれほど悪くない.脚本があまりにも歌舞伎町裏社会にまつわるクリシェをなぞりすぎていて,物語の焦点もぼやけていた,劇中の音楽があまりに安っぽくてセンスが感じられないなどの欠点はあるが,役者陣はそれぞれ存在感ある演技をみせていた.チューヤンについてはこちらは『電波少年』のイメージが強いわけだが,この映画では役者になっていて驚いた.舞の海のヤクザも愛嬌とすごみの両方があってよかった.演技の演出が丁寧なのか「素人」臭さは感じない.坂井真紀は相変わらずかわいらしい.もうけっこうな年齢のはずなんだけど.cuteという形容詞が彼女ほどふさわしい女優はいるだろうか.
せっかく作って公開されたのに,この話題性のなさ,客入り,かなり寂しい.
追記:★を追加.後からしみじみと「やっぱ悪くない作品だよな」という思いが沸いてきた.否定的な局面で己の国籍を意識させられ,プライドをずたずたにされつつも,異国でもがきながら生きる様には共感を覚える.
追記2:原作者のWebpageではこの映画は手厳しく批判されていた(http://cgi.leexiaomu.com/).物語の不自然なプロット,主人公の役者への不満,中国人の偏見を助長する描写,独善的なプロデューサーのやり方等々.これほど原作者と制作現場が対立してしまっていては,まともな興行のための準備も難しかろう.原作者はかなり「骨っぽい」人物であり,自己の作品の映像化への失望は理解できる部分もあるが,それでもなおそれほどの酷評に値するほどひどい出来とは僕には思えない.原作者の怒りの激しさは制作の過程での感情の行き違いの大きさを想起させる.