松尾スズキ（ロッキング・オン，1999年）
ISBN:4947599731
評価：☆☆☆★
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益子直美，可愛かずみ，松本人志，ゆうきなえの記述には著者の愛情・愛着が感じられないでもないが，たいていは極めて辛辣で嘲笑的な芸能人人物評．哀川翔，林葉直子のモデル小説は傑作．本人が読んだら大激怒まちがいなしだと思う．著者の自虐的な自己暴露もあるゆえに，この本の人物評の加虐趣味もよりいっそう楽しめるのではあるけれど，しかし普通はこの種の「悪口」は仲間内でしかせんだろう．ナンシー関の芸能人批評よりもはるかに意地が悪く，残酷な指摘が続く．
当時の松尾は，まさか自分がいわゆる「芸能界」の人々と関わりを持つことなどありはせんだろうと，思っていたのだろうか．活字にして出版してしまうとはたいしたもんだ．
松尾スズキの強烈なひねくれぶりとコンプレックスは僕の趣味の波長によく合う．
