人形劇団プーク
- 照明:阿賀千賀子
- 出演:岡本和彦、早川百合子、市橋亜矢子、栗原弘昌、桐丘麻美夏
- 劇場:南新宿 プーク人形劇場
http://www.puk.jp/kouen.htm
「おれはママじゃない!」
- 原作:みやもとただお
- 脚色・演出:井上幸子
- 美術:入澤祥子
- 音楽:マリオネット
- 評価:☆☆☆☆
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もうすぐ5歳になる娘と二人で観に行く。戦前からの歴史を持つプークの人形劇を見るのはこれがはじめて。人形劇自体、わざわざ劇場まで観に行った経験はこれまでないように思う。人形劇というと、小さな額縁状の舞台で演じられる人形の内部に手を入れて指の動きを使った手遣い人形と糸繰りのマリオネットを思い浮かべていたが、今回の公演では4,5歳の子供くらいの大きさのあるぬいぐるみのような人形が多く使われていた。
プーク人形劇場は100名ほど収容可能の劇場だが、今日は通路までびっしり埋まった超満員。前4列は子供専用となっている。
二作品とも絵本を原作とする子供向きの内容ながら、人形劇独自の表現様式に関心をひきつけられる。人形とそれを繰る人間に対する演出が興味深い。人形遣いが黒子に徹するのではなく、舞台上で「役者」として人形同様に演じていたのが意外だったのだ。
また人形芝居が、人間芝居以上に、直接的かつ強力に子供の心を魅了する様子も興味深い。客席と舞台の密着した距離感も影響しているのだろうが、上演中に子供たちは舞台上の人形に自然に、頻繁に声をなげかける。
二作品とも楽しめたが、個人的にはメインプログラムの「ねぎぼうずのあさたろう」よりも「おれのママじゃない!」のほうが面白かった。ワニとひよこが疑似親子となる話。現実には食う食われるの関係の異種が親密になるという古典的なパターン(羊とオオカミの組み合わせが典型的)のバリエーションだが、三人の人形遣いの「役者」的個性と人形の役柄のコンビネーションを巧みに利用した演出で、ニュアンスに富んだ表現がされていた。ひよこを演じていた役者が、僕の好みの顔立ちである狐目の美人で、彼女を見ているだけでも心浮き立つというのもあったのだけど。
「ねぎぼうずのあさたろう」は股旅物のパロディ。登場人物がネギやなすなどの野菜。一人の人形遣い/役者が複数の異なるタイプのキャラクターの人形を演じ分ける。