R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
評価:☆☆☆☆☆
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2003年から4年にかけてパリにいたとき,チョン・ミュンフンが指揮するラジオ・フランス・オーケストラの演奏会には欠かさず通っていた.
ディテイルの表現を丁寧に処理しつつ,スコアから得られる楽想に忠実ながら,それをダイナミックに増幅させるミュンフンの音楽の虜になっていたのだった.パリで聞いたコンサートの中でも一番記憶に強烈に残っているのは,パリ北東はずれにあるシテ・ド・ラ・ミュジックでの『シェエラザード』の演奏である.このCDの録音はミュンフンがバスチーユ・オペラ劇場の音楽監督をやっていた90年代のものだが,久々に取り出して聞いてみると,あのシテのコンサートでの興奮が鮮やかに蘇ってくる.原曲の持つイマージュの喚起力を,最大限引き出すような饒舌で演劇的な演奏である.
あのしびれるような,身体がとろけてしまうような感動と余韻をいつかまた味わう機会があればなぁ.