閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

海神別荘(1914)

七月大歌舞伎

一時間半のうち,最初の一時間はドラマに展開がなく,暗めの照明の中でうつらうつらしてしまう.海老蔵の台詞回しの異様なイントネーションの付け方に違和感をずっと覚える.物の怪じみた人物のとらえどころのない空虚な内面の表現にはなっていたかもしれないが.
作品のドラマは最後の三〇分間に凝縮されている.
きらきらと照明に反射して光る石をちりばめた玉三郎の白い衣装の美しさ,海神の侍女たちの座ったときに円形に広がる赤いチョゴリ風の着物など,独創的であでやかな衣装に目を奪われる.