閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

Taxidermie 動物剥製術

  • 制作国:ハンガリー
  • 制作年:2006年
  • 時間:90分
  • 監督:Gyorgy Palfi
  • 出演:Csaba Czene, Gergely Trocsanyi, Adel Stanczel, Gabor Mate
  • 劇場:Les Halle, UGC Cine Cite Les Halle
  • 評価:☆☆☆☆

http://www.taxidermia.hu/indexfr.htm

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『テレラマ』の本誌批評では大絶賛,『パリ・スコープ』に掲載されている各紙の映画評点表の評価もおおむね高く,紹介も好意的なものばかり.先週水曜日から公開されたばかり.ハンガリー映画だと日本ではなかなか公開されないかもしれないと思い,いくつかの選択肢のなかからこの映画を選んだ.ちなみに『パリ・スコープ』での紹介では

東欧のある一家の3世代の父子の物語.順番に祖父,父(スポーツ選手),そして息子の話が語られる.「きわめて特殊な」映画であり,万人向けではない.しかしいずれにせよ映画マニアは見るべき作品である.16歳以下は視聴不可.

極めつきの悪趣味な映画.表現の悪意の過激さに硬直する.その極端さゆえに第一級のカルト映画となっている.
日本ではユーロスペースあたりで公開されそうな作品.それなりに話題になるのではないだろうか.
各紙の評者の絶賛にもかかわらずレ・アルの劇場では公開されたばかりにもかかわらずがら空き.
こんな「ひどい」映画,平日の昼間から観に行く方がどうかしている.奇妙なおばさんの観客が一人いた.
映画上映前に最前列の座席から,ぶつぶつ言いながらひとつひとつ座席をあげて何かを探している様子なのだ.最初は掃除のおばさんかと思ったのだがそうではない.だんだんと上に上がってくる.その挙動の不自然さに観客のひとりが「おばさん,いったい何を探しているんだ?」と尋ねたら,「うーん,えーっと,チューインガムがないかと思ってね」などともぐもぐ言っている.最後列の座席までひとつひとつチェックしたあとは椅子におとなしくすわって映画を鑑賞していた.