- 原作:Emmanuel Dongala
- 演出:Luc Clementin
- 出演:Adama Adepouju ; Sebastien Jarrousse (saxophone tenor), Jean-Daniel Botta (contrabasse), Olivier Robin (batterie)
- 時間:1時間10分
- 劇場:Parc de Villette, Tramac
- 評価:☆☆☆★
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午後6時過ぎまで図書館で過ごす.図書館からヴィレットへ.今日は「A Love supreme」というコルトレーンの名曲をフィーチャーしたジャズ・スペクタクルを見る.夕食はケバブ.ヴィレット公園は広々とした芝生が気持ちいい.子供が喜びそうな遊技や施設もある.いつか子供を連れて来たいけれど,それはいつの日になることか.
会場はヴィレット公園内にあるTARMACという小屋.はじめて行く場所である.本来はステージと客席が対面する形のごく普通の劇場のようだが今日はパーティションで70平米ほどの空間を作り,そこに小さなライブハウスを再現している.ジャズトリオが雑然とした雰囲気の中で演奏を始める.左手の小さなカウンターにたつ黒人のマスターの風貌がいい雰囲気だなぁと思っていると,そのバーテンは役者だった.
一時間強のパフォーマンス.狭い会場には150人くらいつめこまれている.一人おいて隣にちょっとアラブ系が混じっていそうなすごい美女が座っていて,彼女が気になってしかたない.
ごく普通の会場でのジャズ・ミュージカルの舞台を想像していたのだが,開場時に行ってみるとコンサート会場ではなくバーかライブハウスのような雰囲気である.開場までの待合室かと思えばこの70平米ほどの空間が会場だった.間抜けなことに宿に戻って解説を読んではじめて気づいたのだが,あの狭苦しいライブハウス自体が舞台美術だったのだ.ごく普通のコンサート会場をわざわざパーティションで区切って,わざわざライブハウスを作ったのだ.開演前,小さなカウンターでお酒のみならずかなりこったおつまみも出していたのですっかりだまされてしまった.メニューをみるとライブハウスのわりにはやけに安かった.カウンターの中でいい雰囲気をだしていた黒人のおじさんはショーがはじまるといきなり役者になってしまうし.だいたいパリの辺境の広大な公園の中のたてものにあんな洒落たバーがあるのもよく考えるとおかしなはなしだ.仕掛けがわかってしまうと,遊びの凝り方に感心してしまう.こんなことに気づかないなんてよっぽどもうろうとしていたのだ.
お話自体はコルトレーンの旧友であるアフリカ系移民のマスターが,コルトレーンの思い出を懐かしみつつ語るというもの.素材の扱い方は凡庸で若干物足りないが,語り手の黒人俳優が実にいい雰囲気を持っているのだ.ジャズ・トリオの演奏レベルも高い.振り返ってみるとなかなか興味深い小スペクタクル.