閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)

秀山祭九月大歌舞伎 昼の部

夕方からのラテン語の授業の準備が間に合わず,昼の部の最初の二演目『車引』と『引窓』は見ることができなかった.残念.松緑,亀治郎,染五郎の三人が出る『車引』は観たかったのだけれども.
三つ目の演目の舞踊からの観劇となる.雀右衛門の小町は高齢者があんな重い着物を着てよたよたと動き回る様子に若干はらはらする.分厚い白塗りとはいえ三階席から観ると老婆には見えず,いまだわずかばかりとはいえ女気を感じさせるところがすごい.長唄が耳に残りやすい旋律でとろとろした動きの舞踊にもかかわらず案外退屈しない.梅玉は相変わらずクールな貴公子風.
『文屋』は『業平小町』とは対照的にコミカルな動きと演出で見せる舞踊.染五郎の動きのしなやかさが心地よい.