井上ひさし(文春文庫,1983年)
評価:☆☆☆☆
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自伝的物語.ひさしが東京生活でのカルチャーショックゆえに大学を休学し,母が働く釜石(花石)に何年か戻っていた時代を小説化.
鉄工所景気で活気ある花石の町で,地に足のついた生活を送る住民たちとの交流の中で,自己をとりもどす様子がユーモア小説のスタイルで描かれる.
高校時代のことを描いた『青葉茂れる』,上智大学の寮生活を描いた『モッキンポット師の後始末』,救護院時代の陰湿ないじめを描く『41番目の少年』など井上の自伝ものは好篇ぞろい.