MODE 公演
- 作:唐十郎
- 演出:松本修
- 美術:伊藤雅子
- 照明:大野道乃
- 出演:山田美佳,齊藤圭祐,中田春介,堀江勇気,森田真和
- 上演時間:2時間15分(休憩10分を含む)
- 劇場:笹塚 笹塚ファクトリー
- 評価:☆☆☆★
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
松本修が主宰するMODEによる唐十郎の作品の公演.
松本修演出作品は二年前に新国立で見たカフカの『城』の公演を見ている.きわめて洗練された美的感覚で構成された衝撃的に面白い舞台だった.
今回の唐作品では,唐テクストのアクの強さに松本演出が取り込まれてしまった感じ.
松本演出の洗練によって,唐組や新宿梁山泊での公演で感じる唐作品独自の泥臭さが減じてしまい,ナンセンスなレベルまで難解・支離滅裂なディアローグを押し出すエネルギーに乏しい舞台となってしまった..薄味の唐といった感じになってしまった.役者の熱演にもかかわらずギャグが効果的に決まらないことが多かった.たたみこむような強引さに欠けるのだ.
役者は松本が教えている近畿大学の教え子が中心.主役を演じた山田美佳のちょっといびつさのある美しさと個性は実に魅力的.上演中,美しいおっぱいを観客にさらけ出すサービスも.「殿」を演じた森田真和のちょっとアブナイ雰囲気が漂う怪演技も印象に残る.
古ぼけてぼろぼろの安アパートの一室をハイパーリアリズムで再現した舞台美術がすばらしい.その場末ぶりはいかにも「日暮里」風である.