- 製作年 : 2005年
- 製作国 : 韓国
- 監督 : パク・クァンヒョン
- 脚本 : チャン・ジェン
- 音楽 : 久石譲
- 出演 : チョン・ジェヨン 、 シン・ハギュン 、 カン・ヘジョン
- 上映時間 : 142分
- 劇場 : 豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
- 評価 : ☆☆☆☆
「あ,映画の日だ」ってことで,夜のラテン語の授業を終えた後,レイトショーで観る.『オールド・ボーイ』で可愛らしかったカン・ヘジョン目当てで観に行ったのだけど,この映画でのヘジョンの役柄は僕の好みではなかった.映画の内容自体,予想はしていたのだけど,僕の好みとはずれがあった.朝鮮戦争時に南北国境の山間にひっそりと孤立した状態で存在した平和な村が舞台.カン・ヘジョンはやたらと陽気な白痴の女を演じていて,彼女の存在が村の「無垢」さの象徴となっている.このカン・ヘジョンの役柄をはじめ,久石譲のぬるく甘い音楽を大々的にフューチャーしているところも含め,仕掛けや設定がことごとくステレオタイプなのが鼻につく.しかし人物造型の設定と演出,物語のクライマックスの作り方は教科書的とはいえ丁寧に処理されていて,道具立てのあざとさにもかかわらず,制作者の意図に乗っかってはらはらし,どきどきし,涙涙となってしまう.
監督はこの作品が長編処女作だとのことだが,今の韓国映画界の充実ぶりを裏付けるような力強い作品だった.