http://hpot.jp/sweeney/index.html
- 作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
- 脚本:ヒュー・ホィーラー
- 演出・振付:宮本亜門
- 翻訳:橋本邦彦
- 音楽監督:山下康介
- 指揮:西野淳
- 美術:松井るみ
- 照明:中川隆一
- 衣裳:前田文子
- 出演:市村正親,大竹しのぶ,キムラ緑子,ソニン,城田優,立川三貴,斉藤暁,武田真治
- 劇場:有楽町 日生劇場
- 上演時間:3時間(休憩15分含む)
- 評価:☆☆☆★
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昨年6月に新国立劇場で見たソンドハイム-宮本亜門の組み合わせによる『Into the Woods』に大きな感動を覚え,同じ組み合わせの本公演は発売次第すぐ予約したのだった.残念ながら『スウィーニー・トッド』のほうは,『Into the Woods』ほど僕は楽しむことはできなかった.
生オケの演奏だったのだが,オケの音量と歌の音量のバランスがあまりよくない.オケが全般にうるさすぎる感じがして,歌詞が聞き取れないことがおおかった.訳詩も問題があって,ソンドハイムのオペラっぽい音楽にうまく言葉がのっかっていかないのだ.言葉ののりが悪いため,展開のリズムがもっさりとした感じになってしまった.
各役者の役作りでは,大竹しのぶは流石にいろいろ工夫していたけれど,他の役者は歌うのに精一杯という感じで全般に平板な演技に陥っていたように思う.市村正親はミュージカル俳優のベテランだが,主役にもかかわらず存在感が薄い.キムラ緑子の役柄は展開の中でほとんど生きていなかった.ソニン(ビブラート過多の歌唱法が気にかかるが,歌声は聴かせる)と城田優(スペイン人との混血らしいが何という美しい青年だろう!)のカップルの若々しさは感じがよかった.
照明は始終暗めで,転換が多いわりには,広い舞台空間のごく一部だけを使っていることが多く,見た目の変化に乏しい.『Into the Woods』にあったような観客をはっとさせるような視覚的ファンタジーに欠けた舞台だった.とにかく全体に暗く,重い.極端な方向へとどんどんと進行していく物語は,上質のブラック・ユーモアの感覚に満ちていて,やり方次第ではもっと面白いものになったと思うのだが.幕切れも中途半端だった.