閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ふたりはプリキュア スプラッシュ☆スター ミュージカルショー

小学生低学年以下の女児に圧倒的支持を受けているアニメ、「プリキュア」シリーズの舞台版。五歳の娘と一緒に鑑賞。
プリキュア」は子供の視聴者のみをターゲットにした作りなので、シリーズ二年目の「マックスハート」はちょくちょく娘といっしょに視聴していたが、三作目の「スプラッシュ☆スター」はほとんど観た記憶がない。中学生の女の子二人の変身ヒーローもののアニメである。現代風の口語表現の使用とのりのいい音楽が特徴。
舞台は着ぐるみショーだった。プリキュアの二人も手足にいたるまで全身着ぐるみである。しかもかなりの運動量。会場のサンプラザホールは一階席のみの開放だったが座席数は1500ぐらいはある。客の入りは半分ほどだったが。会場が大きいこともあって、言葉といっしょに行うジェスチャーも大きい。このジェスチャーの大きさで着ぐるみの無表情をカバーしていた。過激な全身手話といった感じの動きはかなり衝撃的であった。しゃべっている間中、ずっと全身で動いていなければならないのだ。明るいチェルフィッチュといった感じである。
しかもダンスが激しいし、立ち回りも多い。振付は大変よくできていて見応えがあった。今日の座席は前から五列目中央という絶好の位置だったため、着ぐるみの役者たちがはあはあ息をあえいでいるのがよくわかった。確かにあの動きを着ぐるみでこなすのは相当な重労働なはずだ。昨年秋にアトリエ春風舎で観たデスロックの踊り芝居よりもきついかもしれない。
脚本もよくできていたし、役者の動きの演出が丁寧で思いの外楽しめた舞台だった。特に悪役キャラの中心、「モエルンバ」には笑った。このキャラはずっと踊っていなければならない過酷な役なのだ。キャラクター設定のばかばかしさに大笑いする。
プリキュアのピンチの場面では観客席からの応援の声援が請われる。常套手段なのだろうが観客席の子供たちは大いにもりあがっていた。
お話も単純ながらテンポ良く展開し退屈しない。掘り出し物の舞台。
1000円のプログラムを買わないとプリキュアのキャラクターたちと握手できないよーなどとMCであおるのは若干あこぎな感じもしたけれど。