閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

どうで死ぬ身の一踊り

西村賢太(講談社、2006年)
どうで死ぬ身の一踊り
評価:☆☆☆☆★

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「墓前生活」「どうで死ぬ身の一踊り」「一夜」の三編を収録。石川県出身の破滅型の作家、藤沢清造(1889―1932)に心酔する著者が、藤沢清造の全集刊行準備作業と、その傍らの刹那的日常を露悪的に描き出す私小説。強烈なエゴイズム、虚栄心、劣等感、抑えきれない性欲、同棲する女へのすさまじい暴力など、徹底した露悪趣味の壮絶さに戦慄する。作家は中卒で1967年生まれ。この小説集の表題作で芥川賞候補となる。