閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

髑髏城の七人〜アカドクロ

http://www.akadokuro.jp/
劇団☆新感線

  • 作:中島かずき
  • 演出:いのうえひでのり
  • 美術:堀尾幸男
  • 照明:原田保
  • 音響:井上哲司
  • 振付:川崎悦子
  • 音楽:岡崎司
  • 映像監督:梶研吾
  • 出演:古田新太水野美紀、佐藤仁美、坂井真紀、橋本じゅん、河野まさと、梶原善佐藤正宏
  • 劇場:新宿 新宿バルト9
  • 上映時間:三時間一〇分(休憩一五分含む)
  • 評価:☆☆☆☆★
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2004年春に舞台上演された「アカドクロ」のシネマ上映。二年前に染五郎主演の「アオドクロ」を観て新感線に一気に魅了されて以来、古田新太主演のバージョンである「アカドクロ」も是非観てみたいと思っていた。
新宿バルト9は新宿三丁目にこの二月に新しくオープンしたシネコン。ゲキシネが上映されたのは定員二〇〇人ほどの比較的小さな部屋だった。平日午後にも関わらず座席は満杯。女性客が多い。
「アオドクロ」、「アカドクロ」ともに脚本の根幹部分は同じだが、役者に合わせて部分的な相違はかなりあった。演出もしかりである。舞台美術は「アカドクロ」のほうが簡素で抽象的なものだった。ただし照明の効果やスモークなどの仕掛けはふんだんに使っている。「アカドクロ」主演の古田新太は、「アオドクロ」主演の染五郎に決して見劣りはしない。極楽太夫役の坂井真紀の壮絶なキュートさにも魅了されたが、全般にキャスティングは「アオドクロ」のほうがゴージャスな感じがする。少女沙霧を「アカドクロ」で演じた佐藤仁美より、「アオドクロ」の鈴木杏のはつらつとした魅力を、狸穴次郎左衛門はアオの佐藤正宏よりもアカのラサール石井のとぼけた味を、刀鍛冶役は梶原善より三宅弘城の狂ったような陽気さのほうを僕は好む。
脚本はやはりとてもよくできている。最初はナンセンスなギャグを連発して観客を強引に引き込み、徐々に伏線となるエピソードを重ね、物語の深みへと観客を誘う。最初は「アオドクロ」と比較しながら「批評的に」観ていたのだが、次第に物語に入り込んでいった。
ゲキ×シネは今回公演規模が大幅に拡大したが、演劇の新たな受容形態として定着して欲しい。