閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ロシアン・ドールズ

ロシアン・ドールズ スパニッシュ・アパートメント2 [DVD]

LES POUPEES RUSSES
ロシアン・ドールズ スパニッシュ・アパートメント2(ビデオ題)
上映時間 130分
製作国 フランス/イギリス
初公開年月 2006/05/20

監督: セドリック・クラピッシュ
製作: マシュー・ジャスティス,ブリュノ・レヴィ
脚本: セドリック・クラピッシュ
撮影: ドミニク・コラン
編集: フランシーヌ・サンベール
出演: ロマン・デュリスケリー・ライリーオドレイ・トトゥセシル・ドゥ・フランス
評価: ☆☆☆

バルセロナでの情欲とエネルギーに満ちた濃厚な留学生活を描いた『スパニッシュ・アパートメント』の続編.設定はその五年後で,主人公でおそらく監督の分身的存在でもある主人公,グザヴィエは30歳になっている.自伝のゴーストライターやテレビドラマの脚本を書いたりしながらふらふらと暮らしているが,関心の中心は相変わらず愛とセックス.本当のパートナーを求め,ずるずるとした女性遍歴を無自覚に重ねている.このだらしない女性遍歴を続けるグザヴィエにかなり好意的な視点から物語は作られている.
20から30歳にかけての男が女性のことばかり考えているというのはとてもよくわかる.ただし陳腐な恋愛ロマンをぎらつくことなく軽々と実現し,セックスに全く不自由していないくせに,孤独感に酔っているようにみえる主人公には全く共感できない.不愉快.こういう男は最終的には不幸になって欲しいものだ.
クラピッシュの青春映画は総じてこうした「若気の至り」について甘いかんじがする.
薄曇りの昼間や夜の都市の風景(今回はパリ,ロンドン,ペテルスブルク)の抒情に満ちた映像の美しさはクラピッシュならでは.