閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ドリームガールズ

http://www.dreamgirls-movie.jp/site.html

製作年度 2006年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 130分
監督 ビル・コンドン
製作総指揮 パトリシア・ウィッチャー
原作 トム・アイン
脚本 ビル・コンドン
音楽 ヘンリー・クリーガー
出演 ジェイミー・フォックスビヨンセ・ノウルズエディ・マーフィジェニファー・ハドソン 、アニカ・ノニ・ローズ 、ダニー・グローヴァー

月に一度の「映画の日」なので映画を見に行った.もちろん観に行かなくてもよかったのだけど.
監督のビル・コンドンは『シカゴ』の脚本,『キンゼイ』の脚本・監督を担当した人である.どちらも個人的に気に入った作品だったし,『ドリームガールズ』は好意的な評を目にすることが多いミュージカル映画,となれば観に行かずにはおられない.
デトロイト出身の三人組女性ボーカル・グループと彼女たちにつきそったプロデューサーと作曲家のアメリカン・ドリームの実現を扱った話だが,ショー・ビジネスでの成功に宿命的に伴う対立,空虚さ,葛藤を描き出すことに主眼が置かれている.物語の人物のモデルはダイアナ・ロスとスプリームスのようだ.
ショービジネスを題材とするミュージカルとしては,物語の中のショーの場面をそのまま音楽場面として使うなどの定型的で安易なやり方が多用されていることに難があるが,とにかく歌がすばらしい.この映画でアカデミー賞の助演女優賞をとったジェニファー・ハドソンの歌のエネルギーに満ちた美しさと驚異的な表現力は圧巻である.この歌のすばらしさと力強さが物語をリードし,作品の構成上の欠点を覆い隠している.
黒人のソウル・ミュージックが,アメリカン・ドリームの実現の階段の上昇の中で,全米向きの音楽となり,洗煉されていく過程で,その本質的な魅力を徐々に失っていく様子がしっかりと描写されている.