2007-03-18 仲蔵狂乱 書籍 小説 松井今朝子(講談社文庫,2001年) 評価:☆☆☆☆ - 江戸時代田沼意次の時代,歌舞伎役者としては最下層の地位(稲荷町)から,役者の頂点である名題まで成り上がった実在の歌舞伎役者,中村仲蔵の伝記小説.幼少期から死までが時系列に沿って語られる.当時の江戸三座の興行形態についての豊富な知識に基づき,血の通った「世話物」の台詞を連想させる対話体を多用し,当時の役者の世界をいきいきと描き出す文体ののりのよさに引き込まれる.