閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

劇団ゴキブリコンビナート展「本当にあったイカ臭い話」

『ひとり41年会 死ね美術』シリーズ
場所:ヴァニラ画廊 www.vanilla-gallery.com
評価:☆☆☆☆☆

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マイミクのひとりが絶賛していたイベント。エロ・グロ・ナンセンス好きな人は必見の刺激的な「美術」展である。「秘宝館とお化け屋敷とシンデレラ城を足して3で割ったような形式」とフライヤーにあるがまさにそんな感じのパフォーマンス・アートだった。
江戸時代の見世物小屋の雰囲気を想起させるようなおどろおどろしさ。場所は銀座の画廊であるが、古びたオフィスビルの4階であり、同じフロアには普通の会社も営業している。
エレベータで上に上ると廊下が待合い場所になっていた。そこで入場料1500円を払い、雨合羽を着て待機する。
画廊の扉の向こうからは不気味な怒鳴り声や叫び声が聞こえる。3組から4組ごとに入場。中は真っ暗闇で蝋燭の光を頼りにせまい展示室と通路を行進する。足下はどうなっているのか、ぐちゃぐちゃとした感覚でしめった感じ。据えた汗の香りと水に濡れてくさった畳やふとんの臭いが立ちこめる。
役者たちの体をはったパフォーマンスは圧巻である。ああいった厳しい表現を役者にやらせるとは、ゴキコンの主宰者はたいした人物だ。
展示室の奥ではちゃんと芝居を見せてくれる。悪趣味きわまりないナンセンスでグロテスクなパフォーマンスに酔う。
表現のえげつなさを思うと、鑑賞後の後味は悪くない。むしろすっきりとした感じ。パフォーマンスに変な気取りや意味づけがなく、娯楽性が重視された内容だからだと思う。奇祭に参加するような感覚に近いかもしれない。