閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

フォルスタッフ

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000061.html

【作曲】ジュゼッペ・ヴェルディ
【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【台本】アッリーゴ・ボーイト

【指揮】ダン・エッティンガー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】ペーター・ペッチニック
【再演演出】田尾下 哲
【舞台監督】大仁田 雅彦

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト
ファルスタッフ】アラン・タイタス
【フォード】ヴォルフガング・ブレンデル
【フェントン】樋口 達哉
【医師カイウス】大野 光彦
【バルドルフォ】大槻 孝志
【ピストーラ】妻屋 秀和
【フォード夫人アリーチェ】セレーナ・ファルノッキア
【ナンネッタ】中村 恵理
【クイックリー夫人】カラン・アームストロング
【ページ夫人メグ】大林 智子

  • 上演時間:二時間四五分(休憩二五分含む)
  • 劇場:初台 新国立劇場オペラ劇場
  • 評価:☆☆☆☆

マチネを鑑賞。
廻り舞台風に、床ではなく建物のセットの壁を回転させることで場面を迅速に転換させる。
17世紀オランダ絵画、とりわけフェルメールからインスピレーションを受けた舞台美術と衣裳の色彩は、品があってとてもしゃれている。最後の森の場面の幻想的な美術も美しかった。

演技の演出も丁寧にされていて、笑劇特有の定型的な動きを歌手はしっかりものにしていたように思う。音楽化されたシェイクスピア作品として演劇的な面白さも堪能できる舞台であった。

しかし照明が常に抑制されて舞台が暗めだったこと、昼御飯の後の公演だったこと、レチタティーボの心地よさなどのせいで、猛烈な睡魔と格闘しながらも鑑賞となってしまった。
決して寝不足ではなかったはずなのに。これからはマチネ公演のときは昼御飯抜きでのりきることに決めた。午前中授業をやって、午後観劇、というのは理想的な時間の使い方なのだけれども、こう毎度毎度眠くなっては……。

歌手のパフォーマンスはいずれも素晴らしいものだったように思う。フォルスタッフ役のアラン・タイタスは歌唱だけでなく、ユーモラスな雰囲気に満ちた存在感でも印象づける。ナンネッタ役の中村恵理ののびのある歌声にも魅了される。