生誕100年記念 あの手 この手
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/index.html
- 作者: ブルーノ・ムナーリ,藤本和子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: 大型本
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- 満足度:☆☆☆☆★
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マイミクの日記を読んで好奇心をそそられ、小学一年の娘と一緒に見に行った。
板橋区立美術館は成増もしくは高島平から1時間に2本のバスにのって15分という不便なところにあるのだけど、うちからは自転車で15分ほどで行くことができる。
小規模な公立美術館ではあるが、毎年夏のボローニャ絵本原画展を軸に、親しみやすい切り口ではあるが明確なテーマ性のある好企画をいろいろ工夫してやっている感じがする。展覧会に付随して行われるワークショップ、講演会なども参加してみようかなと思わせるような興味深いものが多い。
ブルーノ・ムナーリはマイミクの日記を読むまでは僕はまったくしらない作家だった。実験的な試みが用いられている絵本の作家として一番知られているのだろうか。美術館のページで展覧会情報を見て、これなら子供といっしょに見に行けるかなと思い連れていった。
ムナーリは1907年生まれで、1998年に死んでいる。日本とも滝口修造や武満徹、福田繁雄を通じて深い関わりがあった作家だとのこと。長期間にわたる活動時期を10のテーマ、300作品によって紹介していた。ムナーリは初期には未来派の芸術運動にも関わったという。中期以降は絵本製作などを通じて子供を対象とする美術教育の分野でも業績を残した。
展示作の中では、はっきりした色彩の対比のなか、シンプルな描線でユーモラスな絵柄で描かれた絵本が興味深い。前衛芸術の精神がうまく応用された趣向のある、洗練された仕掛け絵本が楽しい。とりわけ1956作『闇の夜に』は名高い作品だそうだが、この作品は絵柄や仕掛けのみならず、短いことばで綴られた詩的なテクストも大変美しく、僕もすごく気に入ってしまった。