閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

泥花 ・・・明日ニ、咲ケ!

劇団桟敷童子
http://www8.plala.or.jp/s-douji/03doro_osirase.html

  • 作:サジキドウジ
  • 演出:東憲司
  • 美術:塵芥
  • 照明:Jimmy
  • 出演:板垣桃子、川原洋子、外山博美、川田涼一、鈴木めぐみ、中井理恵、稲葉敬、もりちえ、ヨネクラカオリ
  • 上演時間:1時間50分
  • 劇場:中野光座
  • 満足度:☆☆☆☆☆
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徹底的に作り込まれた濃厚な演劇世界で展開される密度の高いドラマを堪能する。
設定の道具立ての時代錯誤がここまで丁寧に追求されると陳腐さを押しのけ新鮮な感動が生じる。とにかく恐るべき完成度の舞台である。
物語の強さに加え、その演劇的表現方法の多彩さと役者の熱演が、ドラマの強度をさらに高めている。そのあまりに暑苦しく、泥臭い世界に拒否感を感じるひとも多いだろうが、一旦その世界に囚われてしまうと滅多に得られないような深い演劇的感興に酔いしれることができるはずだ。
すでに衰退期に入った時代の北九州地方の貧しい炭鉱町が舞台。炭鉱町の貧しい人々が時代の流れがもたらす逆境に傷つきつつも、果敢に立ち向かっていくというお話。閉塞的状況に無力感が漂う現在の日本だからこそ、むしろこういったエネルギーに満ちた物語への欲求も強いのかもしれない。