閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

隣にいても一人 熊本編

  • 作・演出:平田オリザ
  • 出演:河原新一、奥村泰自(演劇微小集団ふわっとりんどばぁぐ)、木内里美、根本江理子
  • 劇場:駒場 駒場アゴラ劇場
  • 満足度:☆☆☆☆★
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熊本にはこれまでまったく関わりがない。日本の都道府県で足を踏入れていないのは熊本、宮崎、鹿児島の三県。熊本出身の知人も思い当たらない。熊本といえば、うーん、斎藤慶子と宮崎美子が熊本大出身だっけ。
熊本弁を耳にするのも今日が初めてだった。言っていることはほぼ理解できるけれど、「地元の人たちはこんな喋り方してるんだー」とちょっと不思議な感じはした。
喧嘩になると方言が強く出るのは、僕も同じだ。普段僕は関西弁(播州弁)で話すことはほとんどないのだけど、夫婦喧嘩の際は同じく関西出身の妻と関西弁での応酬になる。本気で怒ったときのような切迫した状況では方言がより強く出る傾向は一般的なものだと思う。そうじゃないと気分がでないし。

同じ戯曲を三回目。今回はテクストも読んでいるし、流石に飽きてしまうかなと思ったけれど、やっぱ面白いなぁ。この戯曲本当によくできている。熊本編はまた役者も達者だったし。役解釈が大阪編、英語版より僕の好みに近かった。全般に演技が抑え目で、笑いを積極的にとろうとしているようなところが少なく、より自然に感じられた。離婚する兄夫婦の兄役のふざけ方は何となく、というかかなり僕と似ているところがある。体型も似てたけれど。妻の反応や夫婦関係のありかたも実はちょっと似た雰囲気だったのは。


大学の講義も関西の大学では関西弁でやっているのだろうか。大学の授業で関西弁というのはちょっと想像しがたいようにも思える。
僕は関西出身ながら大学以降は東京に暮らしている。学問のことばはもちろん標準語である。
自分は関西弁で講義ができたらもっとなめらかに楽しい雰囲気の授業ができるようにも思うのだけど、なんか許されないような気がする。東京で関西弁の講義をすると、過剰に意識してしまい必要以上に関西弁を強調してしまいまそうだ。