チェーホフ一幕物全集―白鳥の歌・路上他7篇

チェーホフ一幕物全集―白鳥の歌・路上他7篇 (岩波文庫 赤 623-0)

満足度：☆☆☆☆

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山崎清介版『チェーホフ短編集』の予習として読んだ。舞台版で上演される六篇のうち、『たばこの害悪について』『白鳥の歌』『熊』『プロポーズ』の四編がのこの文庫本に収録されている。米川正夫氏の翻訳は1939年のもので漢字も旧字、旧かなで一見読みにくそうだけれども、訳文は平易で滑らかであり現在でもちょっとした言い回しの変更だけで舞台にのりそうな感じだった。
チェーホフの一幕ものはこれまで読んだことがなかった。皮肉な調子はあるものの、軽妙洒脱で陽性な傑作ぞろい。特に『熊』と『結婚申込み』を面白く読む。