串田和美+白井晃プロジェクト
http://www.jacquesandhismaster.com/
- 作:ミラン・クンデラ Milan Kundera
- 演出:串田和美
- 翻訳:近藤真理
- 美術:松井るみ
- 衣裳:ひびのこづえ
- 照明:齋藤茂男
- 音楽:荻野清子
- 音響:市来邦比古
- 出演:白井晃、内田有紀、串田和美、宮島千栄、内田紳一郎
- 上演時間:1時間50分
- 劇場:吉祥寺シアター
- 満足度:☆☆☆★
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原作戯曲に比較的忠実な舞台だったように思う。美術はオリジナルの指示より若干豪華になっていたけれど。
ジャックとその主人、宿屋のおかみの会話が舞台前方で行われ、回想が後方に設置された簡易額縁舞台の中で白塗り顏のピエロ風メイクの俳優によって再現される。しかしこの回想と現在、そして三人の話は錯綜する。語られるエピソードは常に中断され、余談へとずれている。語りの内容の中心が不在で、各エピソードを追いかけようとすると逃げてしまうようなとらえどころのない内容の芝居。
原作翻訳で気になっていた一人称「おいら」は、舞台版ではおおむね「あたし」に変更されていてほっとする。「おいら」を連発されていたらかなり気に障っていただろう。
原作戯曲にある饒舌がもたらすスピード感とリズムが舞台版ではあまり生かされていないように感じ、展開に停滞感を感じた。
内田有紀は特に好きな女優ではないのだけれど、実際に生でみると舞台女優としては突出してきゃしゃで可愛らしく見えた。この内田有紀の出演シーンが思ったより少なかったのが残念だった。下僕のジャックを演じた串田和美は原作を読んだときに僕が思い描いたイメージとよくあったけれど、主人役の白井晃には物足りなさを感じる。
戯曲の世界を手堅く舞台上で実体化していたけれど、驚くようなアイディアはなかった。
満足度は中くらい。