- 上映時間:108分
- 初公開年月:2008/03/08
- 監督:万田邦敏
- プロデューサー:仙頭武則
- 脚本:万田珠実、万田邦敏
- 撮影監督:渡部眞
- 美術:清水剛
- 衣裳:高橋さやか
- 音楽:長嶌寛幸
- 照明:和田雄二
- 出演:小池栄子、豊川悦司、仲村トオル
- 映画館:渋谷 ユーロスペース
- 評価:☆☆☆☆★
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
先日見た同じ監督、脚本の『UNLoved』同様、世間の価値観に迎合することのない強固な意志を持つ女性をめぐって三角関係の愛が展開する話。しかし今回の愛の対象は無実の人間をかなづちで殴り殺した殺人犯死刑囚の男である。この男の抱えていた空虚で殺伐とした心象風景が、女の孤独と激しく共鳴し、激情的な狂気の愛へと結実する。
せりふは人工的かつあまりにもクリアで説明的で、写実的な表現ははなからめざしていないことは明らかだ。象徴的・寓意的な物語で、主題への集約の徹底は、キム・ギドクの世界も連想させる。あるいは演劇的ともいえる。ロジックの容器のような一貫した性格付けが行われている登場人物は、フランス古典悲劇、コルネイユやラシーヌの作品の人物に通じるところもある。舞台化しても違和感のない傑作に仕上がるのではないだろうか。