地点
http://www.chiten.org/new_work.htm
- 原作:アントン・チェーホフ
- 翻訳:神西清
- 演出:三浦 基
- 演出助手:村川拓也
- 照明:吉本有輝子
- 映像:山田晋平
- 美術:杉山至+鴉屋
- 音響:堂岡俊弘
- 衣裳:堂本教子
- 出演:安部聡子 石田大 岩澤侑生子 大庭裕介 小林洋平 谷弘恵
- 劇場:吉祥寺シアター
- 上演時間:1時間半
- 評価:☆☆☆☆
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開演10分前に開場。客席に入り、舞台を見たとたん、異様でユニークな「活人画」に目を奪われる。舞台の視覚的な美しさのインパクトは強烈だ。舞台に敷き詰められた大量の一円玉、舞台の壁際にそってコの字状に設置された、背の高い木のベンチ。そしてその舞台美術のなかで硬直したまま待機する役者たち。
独創的で極度の洗練を感じさせるこの舞台美術を目にするだけで、演出家の非凡なセンスは感じ取ることができる。
原作を1時間半に刈り込んだ舞台表現自体も独自の約束事に基づき構成され、進行していく。
桜の園の一族は舞台中央におかれた木枠の積み重ねの上に寄せ集められ、上演中その場から動かない。彼らは始終絵を飾る額のような木枠をを通し観客に向かって語りかける。外周にいる二人の人物(ロバーヒンと?)だけが舞台上を移動することができる。ベンチに沿った外周上のぐるぐる回る動きが中心だあが、大量の一円玉が敷き詰められた舞台中央部を横切ることもある。
ロバーヒンが一円玉の「プール」のなかでのたうちまわる場面がとても印象的だった。
額縁の中でしかしゃべらない中央の人物の台詞のしゃべり方も相当へんで、その様子は調子の狂った機械人形を連想させる。
クールで高踏的な雰囲気が漂う洗練された舞台だった。斬新なアイディアが盛り込まれたユニークで興味深い公演だったが、体調がいまひとつでうつらうつらとしながらの観劇になってしまった。時折大声の叫びや大きな物音が舞台上からするので、そのたびにはっとわれに返る。