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文学座アトリエ公演
- 作:ウジェーヌ・イヨネスコ
- 訳:中村まり子
- 演出:松本祐子
- 美術:乗峯雅寛
- 音響:藤田赤目
- 衣装:前田文子
- 出演:川辺久造、飯沼慧、三木敏彦、沢田冬樹、大場泰正、中川雅子、城全能成、松岡依都美、奥山美代子、岡本正巳、山本あゆみ
- 信濃町 文学座アトリエ
- 上演時間:2時間15分
- 評価:☆☆☆
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イヨネスコの寓意的不条理劇。住民がどんどん犀になってしまうお話。「犀の群れが何を表象しているか」という問いかけをベースに芝居を読み取っていくのがお約束的な見方なのだろう。
見る前に予想していたとおりの雰囲気の芝居だった。これぞ「The 演劇」といった感じの楷書体の安定した演技によって、自分にとってはそれほど興味深いものではない乾いた物語が流れ去っていく。不条理劇というジャンル、とりわけベケットとイヨネスコの作品は、現代劇の古典として比較的上演機会が多いが、化石化し、約束ごとのなかにからみとられてしまい、「旧=前衛」となってしまった舞台が多いように思う。中途半端なところで歴史化されてしまっていて、表現は案外不自由だ。斬新さよりもむしろ古臭さを感じることが多い。
あまりに人工的に構築された訓話的物語で心動かされない。中学・高校の国語の教科書に採用されそうな話だ。脚本、演出、役者の演技とも堅実であるできているとは思うけれど、つまらない芝居だった。芝居のテンポは速かったにもかかわらず、とりわけ前半は冗長で2時間強の上演時間の進行がとてもゆっくりに感じられた。早く終わらないかなあと思いながら見ていたら、何回か落ちていた。
赤、黒、白の三色を使い、影絵風の犀が描かれたシャープなデザインのチラシはとてもすてきだ。