閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

73&88

カニクラ
http://ameblo.jp/canicula88

  • 作・演出 柴幸男(青年団演出部/ままごと)
  • 出演:川田希 宝積有香 坂本爽 玉置玲央(柿食う客)
  • 劇場:アトリエヘリコプター
  • 上演時間:70分
  • 評価:☆☆☆☆
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カニクラは川田希、宝積有香の二人の女優のユニット。どちらも34歳だけど顔立ちがとても可愛らしい。今回初見。柴幸男作・演出作品なのでチケットを購入した。
テレパシーと電話による4人の男女の遠隔コミュニケーション。男と男、女と女は互いに未知の人物なのだけれど、なぜかテレパシーでコミュニケーションが可能になっている。一組の男女は別居中の夫婦、もう一組の男女はやはり離れてくらす姉弟。彼らは電話でコミュニケーションを取る。俳優各々がこの芝居が上演されるようになったきっかけがまず「素」の状態で提示され、そして「もし役者になっていなかったら」という仮定から、劇世界が展開していく。

他愛ない雑談をだらだらと長時間することが可能な友人がいなくなって久しいことに気づき、寂しい気分になった。
センチメンタルで繊細な雰囲気のあるしゃれた戯曲だと思った。でも柴作品としてはかなり物足りない。タイトルの『73&88』はアマチュア無線で「さよなら」を意味する符号だとのこと。

20年ほど前、一人暮らししていたとき、僕と友人が深夜に電話していると、混線で見知らぬ女性と彼女の友達とつながってしまい、その混線の状況が面白くてそのままかなり長い時間だらだらと話をしたことがあるのを思い出した。