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- メディア:映画
- 上映時間:119分
- 製作国:日本
- 初公開年月:2009/07/11
- 演出:松江哲明
- プロデューサー:直井卓俊
- 構成:松江哲明
- 編集:松江哲明、豊里洋
- 音楽:豊田道倫
- 構成協力:向井康介
- 挿入歌:川本真琴『ほんとうのはなし』豊田道倫『さよならと言えなかった』
- 出演:林由美香、ユ・ジンソン、入江浩治、キム・ウォンボギ、カンパニー松尾、いまおかしんじ
- 映画館:ポレポレ東中野
- 評価:☆☆☆
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AV女優、ピンク映画女優の林由美香の作品は、ピンク映画として製作されながら一般公開された「たまもの」しか見ていない。ちょっと表情に倦怠が漂うけれど童顔のかわいらしい顔立ちの女優だと思った。細い肢体と大きくはないけれど形の整った乳房は僕の好みだった。林由美香は数年前に35歳の若さで急死してしまう。若くして死んだポルノ女優についてのドキュメンタリーとなると、秘匿された彼女の私生活から作家はどのような物語を引き出してくるのかという下世話な好奇心にもかられてしまう。
林由美香と親交があった監督がドキュメンタリーの出発点とした素材は、彼女が出演した韓国のエロチックなVシネマだった。韓国の監督が撮影し、日韓の役者とスタッフで作られたこの作品の台詞は韓国人役者も含めすべて日本語で、韓国語の字幕がついている。珍妙でご都合主義のストーリーのいかにもB級といった感じのビデオ作品だ。この作品の関係者を軸に、若い監督は林由美香の晩年を追っていく。
しかし林由美香の「闇」は結局この映画では何も明らかにされない。外向きに作られたポルノ女優としての仮面を由美香はかぶったままだった。松江哲明監督の林由美香への心優しいオマージュとはなっているけれど、彼と彼女の親交、そして彼をとりまく映画業界のなかのつながりゆえに、対象に無慈悲にせまり、その闇の部分まで抉り出していくことにブレーキがかかってしまったように感じられる作品だった。