閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ダウト 〜あるカトリック学校で〜(2008) DOUBT

http://www.movies.co.jp/doubt/index.html

原作は舞台劇。昨年、文学座のアトリエ公演でこの作品の舞台を見て、映画版の上映を楽しみにしていた。映画版の監督も原作戯曲の作家が行っている。
脚本が驚くほどよくできている。人間の心に一度わき上がった疑念が、その人物を支配し、主体的判断を奪ってしまう恐ろしさが巧みに描き出されている。その役柄をまさに具現したような絶妙のキャスティングで、その演技も本当に素晴らしいリアリティにあふれる密度の高いものだった。
しかし脚本と演技の完成度の高さ、精巧さゆえ、どこか人工的な冷たさも感じてしまった。丁寧に作られた精密な工業製品といった感じ。