閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

パントマイム&クラウン 道化師のコンサート

劇団汎マイム工房 Vol.67
http://www.hanmime.com/index_hanmime_kouen.html

  • 構成・演出:あらい汎
  • 出演:三雲いおり(ゲスト);石川紫織、山羽真実子
  • 劇場:スタジオP.A.C
  • 評価:☆☆☆★
                                    • -

パントマイムとクラウンの劇団、汎マイム工房の公演。日替わりのプログラム、メンバーで昨日から10月4日まで毎日公演がある。パントマイムとクラウン(道化)の芸の違いってのを僕はよくわかっていないのだけれど、パントマイムは様式化しされつつも写実的・模倣的でもあるジェスチャーによる黙劇演技、クラウンは道具を使った曲芸なども含むサーカスなどの道化師ということになるのだろうか。

3人の演者による5分から15分ぐらいのプログラム7つで構成されたショーだった。トータルで80分ほど。女性二人、男性一人の3人の演者のうち、ゲスト演者の三雲いおりは曲芸・道化芸を組み合わせて独創的なコントを演じた。技芸への注目のさせ方がうまい。見せ場にどう観客の関心を引きつけるかという場面の構成力に優れていているのだ。彼の芸には引き込まれ、僕は大いに笑わされた。

女性二人の演者は劇団のメンバーだ。どちらもまだ若い。新体操を連想させるような身体芸もあったが、パントマイム的な芸も披露した。このパントマイム的なパートが二人ともよくない。短い語りとパントマイムの定型的な動きを組み合わせて物語を演じていたのだが、マイムの部分で何を表現したいのか、何を見せたいのかがよくわからない。物語の世界がマイムによって新たな広がりを得たようには思えなかった。むしろ物語が、マイムの細かい技芸を詰め込むための入れ物、枠組みに後退してしまったような感じが僕にはした。正直なところ、マイムでの表現の部分は、何を表現しているのかよくわからないことも多かった。また個々の場面で選択したマイムの表現の必然性(語られる物語とマイムの表現の関連性)もよく理解できなかった。物語の選択(オー・ヘンリの『賢者の贈り物』と宮沢賢治注文の多い料理店』)にも疑問を持つ。