重力/Note
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- 原作:田中千禾夫『マリアの首』
- 構成・演出:鹿島将介
- 舞台監督/舞台美術/宣伝美術/映像制作:青木祐輔
- 衣裳:平岡容子
- 照明:南香織
- 音響/作曲:中村大史(momo椿*)
- 写真:宮嶋みほい
- 出演:石田迪子、亀井惟志、小橋れな、瀧腰教寛、立本雄一郎、玉井勝教、宮嶋みほい
- 劇場:シアター・バビロンの流れのほとりにて
- 評価:☆☆☆
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美術と照明はかっこいい。活人画芸術としては相当レベルが高いと思う。
舞台を見る前に原作を読んでおいた。原作戯曲もあまりわかりやすいものとはいえない。二度精読した。戦後の長崎を舞台とした作品。被爆で心に傷を負った人々の痛々しい精神的彷徨を象徴的に描いている。
演出者がちらし裏に書いている文章は、表現が生硬でどこか空虚で空々しく感じられた。舞台もこの文章から受ける印象通りのものだった。原作戯曲が分断化、再構成され、さらに晦渋なものになっているのだけれど、演出家が敢えて原テクストをわかりにくく書き換えたことの意味が私にはまったくわからなかった。またなぜ彼がこのテクストを舞台にのせようと思ったのかについても、その舞台表現からは見えてこなかった。ちらしの文章にその理由については書かれているのだけれど、この内容も私にはよくわからない。普通のやり方では戯曲を舞台に乗せたくはない、という演出家の意気込みはよくわかるのだけれど、その独創的な変換によってもたらされるものはいったい何なのか。私には伝わらなかった。