閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

12モンキーズ

http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2010/12monkeys.html

12モンキーズ(1995) TWELVE MONKEYS

ロスト・イン・ラマンチャロスト・イン・ラ・マンチャ(2001) LOST IN LA MANCHA

ラ・ジュテ(1962)LA JETEE

12モンキーズ』だけを見るつもりだったけれど、ちょうどうまい具合に時間が空いて『12モンキーズ』の元ネタである『ラ・ジュテ』、そして完成しなかった超大作『ドン・キホーテを殺した男』の撮影風景のドキュメンタリーである『ロスト・イン・ラマンチャ』の三本を続けて見ることができた。
12モンキーズ』、思わずうなる面白さ。お話自体のアイディアは斬新とはいえないのだけれど。ブラッド・ピットの怪演ぶりが素晴らしい。狂い方がきまっている。『ラ・ジュテ』を『12モンキーズ』の前に見たので、ギリアムのデフォルメの豊かさがよく見える。「狂気」というモチーフを重ねることで作品にぐっと奥行きが出ている。よりグロテスクで悲壮な物語になっていたことがよくわかる。
『ロスト・イン・ラマンチャ』を見ると多大な人間が関わり、莫大な費用がかかる映画作りの困難がよくわかる。ギリアムはこうした面では運に恵まれていないようだが、こうして途中でぽしゃって人企画は星の数ほどあるに違いない。人間関係もめちゃくちゃになるに違いない。
Wikipediaを見ると2011年に『ドン・キホーテを殺した男』が公開されるとなっている。『ロスト・イン・ラマンチャ』を見てしまうと、本編の『ドン・キホーテ』を見に行かないわけにはいかない。ドン・キホーテを演じるはずだったロシュフォールは最近どうしているのか私は知らないのだが、『ロスト・イン・ラマンチャ』で、超大型企画がぽしゃった最大の原因が自分だってことが公にされたのはたまらない気分に違いない。病気だから仕方ないのだが。2011年に公開が予定されている『ドン・キホーテ』は主要キャストは一新されているようだ。いずれにせよ製作、公開への準備は進んでいるみたいなので楽しみだ。