閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

こうのとり、たちずさんで

TO METEORO VIMA TU PELARGU

はじめてこの映画を見たときの感動の記憶はいまだ鮮烈だ。今回でこの作品を見るのは4回目だと思うが、今回も至極の映像美に陶酔する。最後の数十分の美しさは映画芸術の奇跡ではないだろうか。壮絶に美しくかつ重い。最初にこの作品を見たときには、ぐっさりと太い杭を心臓につきたてられたかのような、過呼吸の発作が起こったかのよう息苦しささえ感じた。夫婦、親子、家族、共同体、民族、国、あらゆるレベルの人間を結びつきについて、深刻な問い掛けがされているようだ。
私がこれまでに見た映画のなかで、もっとも「完璧さ」を感じさせる作品だ。