マレビトの会
http://www.marebito.org/news.html#UBUROI
- 作:アルフレッド・ジャリ
- 翻訳:窪田般彌(白水社)
- 演出:松田正隆
- 照明:藤原康弘
- 音響:荒木優光
- 衣裳:権田真弓
- 出演:F.ジャパン、桐澤千晶、ごまのはえ、サリngROCK、筒井潤
- 劇場:アートコンプレックス1928
- 上演時間:100分
- 評価:☆☆☆★
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1928年に建てられた古いビルの講堂での公演だった。ギャラリーやおしゃれなカフェやブティックが入っているこぢんまりした雑居ビルの最上階が講堂になっている。ほぼ素舞台での上演。講堂の舞台はつかわずその前面をゆったり使って、演技が行われる。
ジャリの『ユビュ王』は十九世紀末にパリで上演された際、スキャンダラスな騒ぎを巻き起こした作品で、演劇史では必ず言及される作品だ。上演機会も比較的多い。私のパリ滞在中にも公演はあったように思う。日本でも一、二年に一度くらいの割合でどこかで上演されているようだ。ところが私は作品の上演はこれまで未見だった。オリジナルは人形劇だったという。
主な登場人物はユビュ親父、その妻ユビュ母ちゃん、ユビュの部下のボルデュール大尉、ユビュから王位を剥奪されたポーランド王とその息子。役者は互いに視線を合わさずに台詞をぎこちないリズムで棒読みする。ユビュを演じるごまのはえ(ニットキャップシアター主宰)は、裸の大将山下清を演じた芦屋雁之助の如く、ユビュを演じるために生まれてきた役者のようだった。ユビュ母ちゃんのサリngROCKは長身細身のポップな雰囲気のかわいらしい女優、彼女もよかった。
ほぼイメージしていた通りの『ユビュ王』を見ることができた。アナーキーではあるけれど、単調で退屈。百分間、同じリズムでたんたんとメカニックに展開していく。ユビュっぽいユビュではあったけれど、こちらの注意を引きつける仕掛けがもう少し欲しかった。