閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

チカパン大道芸@渋谷児童会館

プークの人形劇を見た後、渋谷に移動し児童会館の入り口でチカパンのパントマイムを見た。出し物は被り物を使ってぜんまいロボット(?)など何人かの人物を演じ分けるプログラムと観客の一人を呼び込んで簡単なジャグリング芸を共同で行うプログラム。この一年何回も見ている組み合わせだ。今回、服装がバージョンアップされ派手になっていた。
チカパンの持っている大道芸のプログラムとしてはこの組み合わせが今のところ一番安定したものなのだろう。観客を参加させるプログラムでは、彼女はいつもは若いカップルからハンサムでかっこいい男の子を引っ張り出してパートナーに選んでいるのだが、今日の男性客は子供とおっさんくさいおっさんばかり。どうするのかなと思っていたら5歳ぐらいの男の子を選んでやらせていた。いつも通りのプログラムを同じ手順でやっているのだけれど、今日はちょっと演技のリズムがいつもより悪いような感じがした。ぎくしゃくとした感があって30分たって「え、もう終わり?」という物足りなさを感じた。うーん、なんでだろう。

大道芸の基本プログラムは細部を微調整しながら相当な試行錯誤を重ねた上で取捨選択されたもののはずでそうそう大きな変更できないと思う。チカパンについてはこの一年間に何回も同じ芸を見ているので毎回毎回のディテイルの違いを味わうというマニアックな観客に私はなってしまっているのであるが、流石にちょっと飽きてきたところがある。もっとも私と同じくらいの回数チカパンの大道芸を見ている娘はいまだ全然飽きてないそうだ。あれだけ何回も見てまだ楽しみ方を知っているというのだから、チカパン芸のマニアックの度合いでいえば娘のほうが上なのだろう。
去年はチカパンを知って間もなくソロでの劇場公演があり、それで一気に彼女の芸の魅力に引き込まれた。あれは本当に素晴らしい公演だった。
http://d.hatena.ne.jp/camin/edit?date=20090710
芸を生活の糧としている職業芸人である以上、劇場にわざわざ足を運ぶやマニアックな観客相手にやるような冒険を、見知らぬ雑多な客の好奇心を短時間で惹きつけなければならない大道芸で毎回やるわけにはいかないのはよくわかる。でもファンとしては一年に一度くらいは実験的・意欲的なパントマイムの世界の深みを覗いてみたい。今年は七月の終わりに見本市のような場でソロ・ライブがあるらしい。そちらでのプログラムに期待したい。