- 原作:アンデルセン
- 脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ
- 翻訳・通訳:石川若枝
- 美術:ルカ・ルッツァ
- 照明:柘植幸久
- 衣裳:田中洋介
- 音響:豊原美晴
- 振付:楠原竜也
- 出演:大方斐紗子、松橋登、豊島理恵、楠原竜也、萩窓子
- 劇場:三軒茶屋 世田谷パブリックシアター
- 上演時間:60分
- 評価:☆☆☆★
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9歳の娘と観に行った。私はちょっと寝てしまった。娘は面白がっていたけれど、私は退屈だった。
視覚的表現は非常に洗練されている。巨大な白い布を効果的につかったシンプルで象徴的な美術だ。その抽象的空間を背景に白塗りの奇妙な人物たちが動き回る。シュールリアリズムの絵画の世界のような美しさがある。しかし展開が少々たるい。パントマイム、ダンス、歌といった要素の使い方も中途半端に感じる。視覚面以外の要素がすべて視覚的側面を引き立たせるためのアクセサリーのように感じられた。
イタリア人の女性演出家ルドヴィコによるこどもための演劇作品は数年前から世田谷パブリックシアターで上演されていて評判がいい。彼女の舞台は2、3年前に「雪の女王」を見たことがある。今回の舞台同様、洗練された視覚表現が印象的なキレイな舞台だったが、ちょっと表現が高踏的過ぎるような感じがして今ひとつ面白いとは思わなかった。昨年、座・高円寺の主催公演の「旅とあいつとお姫さま」は行くどうかか迷ったのだけれど、日本語訳のタイトルが気にくわない、日程が合わないなどの理由でやはり観に行かなかった。しかしこの公演が何人かの知人のあいだでやたらと評判がよかったので、今回「にんぎょひめ」を見る気になったのだった。印象は「雪の女王」を見た後と同じ。やたらとキレイだけど退屈、気取りすぎているように感じられあんまり楽しくない。ルドヴィコの作品は私とは相性がよくないようだ。