閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

しらゆき姫

こどものためのバレエ劇場@新国立劇場
平成22年度 新国立劇場 こどものためのバレエ劇場しらゆき姫|バレエ|新国立劇場

  • 原作:グリム童話
  • 音楽:ヨハン・シュトラウス2世(作品抜粋)
  • 監修:牧 阿佐美
  • 振付:小倉佐知子
  • 音楽構成:福田一雄
  • 構成・演出:三輪えり花
  • 美術・衣裳:石井みつる
  • 照明:杉浦弘行
  • 音響:渡邉邦男
  • 舞台監督:伊藤 潤
  • 劇場:初台 新国立劇場中劇場
  • 上演時間:80分(休憩15分)
  • 評価:☆☆
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小4の娘と一緒に初台の新国立劇場にこどものためのバレエ劇場「しらゆき姫」を観に行った。休憩15分を入れて80分。
公演について否定的な感想が記されているので、もし読まれるかたはそのつもりで。




私はあまりバレエを見たことがない。これまでパリのオペラ座で10回程度見ただけ。娘は初めてのバレエ鑑賞だ。かなり楽しみにしていたのだけれど、表現としての志の高さが感じられないつまらない舞台だった。今月初めに鳥の劇場による独創的な解釈と表現が盛り込まれた「白雪姫」を見たばかりなので、いかにも子供向けで通俗的な今回の上演台本には興ざめしてしまった。演者は一生懸命やっていたと思うが、制作陣の「子供向け」に対する認識のありようが透けて見える薄っぺらな作品だと私は思った。子供向きという枷を逆に表現の自由に結びつける意欲が感じられない。ただし娘はそれなりに楽しんで見ていたようだった。

子供連れの観客が優先的にチケットを購入できる公演なので、観客席は母親とその娘という組み合わせが七割という感じ。自嘲を込めて嫌みなことを書くと、親子でバレエなどを「安く」見たいという中産階級の中途半端なスノビズムに見合った作品を提供している感じがした。こういうものを娘と見に来る自分の間抜けさが恥ずかしい。もう二度と新国立の子供向きバレエ公演を観に行かないだろう。