- 作:トム・ストッパード Tom Stoppard
- 演出:栗山民也
- 翻訳:小田島恒志
- 美術:松井るみ
- 照明:勝柴次朗
- 音響:高橋巌
- 衣裳:前田文子
- 出演:市村正親、秋山菜津子、武田真治、前田亜季、上山竜司、西川浩幸、月船さらら、森尾舞、檀臣幸、山内圭哉、黒谷友香
- 劇場:三軒茶屋 世田谷パブリックシアター
- 上演時間:3時間(休憩15分)
- 評価:☆☆☆★
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ケンブリッジとチェコのプラハの二つの場所が主な舞台。1968年、チェコのソ連体制からの脱却を目指す運動「プラハの春」とその後のソ連軍によるチェコ占領から、ベルリンの壁が崩壊し、チェコが民主化された1990年までの20年間を描く。中心となる人物は、1960年代後半にケンブリッジに留学したが、「プラハの春」を契機に祖国に戻ったチェコ人男性ヤンと彼のケンブリッジにおける指導教授でコミュニストのマックスである。ベルベット・アンダーグラウンド、ストーンズ、ピンク・フロイドなどの曲が時代を象徴する音楽として劇中で使われる。
前半は1970年代中盤まで、ケンブリッジでのコミュニスト学者、マックスの家庭の様子とチェコに帰国後、共産党支配の強化によって束縛が強められるヤンの様子が、短いエピソードを交錯させて次々と提示される。後半は1980年代後半、一世代繰り下がったマックス家の様子とヤンの20年ぶりのマックス家再訪、再会の場面が中心となる。
前半、座席付近に催眠ガスが漂っていたようで夢うつつの状態での観劇になってしまった。何で俺は芝居を観ながらこんなに頻繁に眠たくなってしまうのだろう。眠気のせいもあって芝居に乗れなかった。武田真治の台詞が聞こえにくい。秋山奈津子は相変わらずカッコいいけど、全体のアンサンブルがうまく噛み合ってないような感じがした。それぞれの役者が勝手に演技している感じでばらばら散漫な舞台。前半ところどころ意識を失っていたせいか、マックスとヤンの再会場面のやりとりはよく理解できない。高額チケットだったのに消化不良の観劇になってしまった。『悲劇喜劇』に翻訳台本が掲載されているらしいので、後で読んで欠落を補いたい。