閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

3分間の女の一生

燐光群
次回公演情報

  • 作・演出:坂手洋二
  • 照明:竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 
  • 音響:島猛(ステージオフィス)
  • 美術:じょん万次郎
  • 衣裳:宮本宣子
  • 出演:竹下景子 円城寺あや 中山マリ 猪熊恒和 鴨川てんし 川中健次郎 大西孝洋 さとうこうじ 杉山英之 小山萌子 松岡洋子 樋尾麻衣子 笹野鈴々音 長尾純子 安仁屋美峰 西川大輔 武山尚史 鈴木陽介 橋本浩明 高木充子 渡辺文香 桐畑理佳 矢部久美子 横山展子 根兵さやか
  • 上演時間:2時間10分
  • 劇場:座・高円寺
  • 評価:☆☆☆
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すべての場が3分間という時間単位で構成されている芝居。
カップヌードルの調理時間、公衆電話で10円で話せる時間、ウルトラマンが地上で活躍可能な時間、確かに3分間は現代日本社会を象徴する時間単位の一つかもしれない。主演は竹下景子。雑多なエピソードで構成されているが、竹下景子演じる人物が主宰する出版社兼あやしげな研修組織(?)の話が作品の核となっている。竹下景子演じる人物は3分間について絶対的時間感覚を持っており、3分間が鍵となる様々なハウツー本を出版している。彼女を中心に現代日本社会における女性のあり方に対する問いかけが作品を通じてなされている。しかし雑然としすぎていて作品の流れがわかりにくく、その内容にも私は興味を持つことが出来なかった。
作品が性急に作られているため、ユニークな着想が生かし切れていないような感じがした。準備不足で講師が焦りまくっている講義を聞いているような。竹下景子はともかく、他の客演の役者の使い方にも疑問を感じる。わざわざ呼んでくる意味はあるのだろうか?

作品の雰囲気は「屋根裏」と似ているところもある。ただし私は『屋根裏』のほうが圧倒的に素晴らしい作品だと思う。。

ここ数年の燐光群の作品とは相性がよくない。「屋根裏」だけでなく、他の代表作の再演をやってくれないかな。90年代の「天皇と接吻」とか題名だけで見てみたくなるような作品がいくつかある。