SCOT
鈴木忠志・SCOT Suzuki Tadashi・Suzuki Company of Toga
- 演出:鈴木忠志
- 原作:ウィリアム・シェイクスピア
- 美術:戸村孝子
- 衣裳:岡本孝子
- 日本語版テキスト翻訳:小田島雄志
- 出演:Götz Argus, Ellen Lauren, チャン・イジュ、高野綾 ほか
- 劇場:吉祥寺シアター
- 評価:----
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鈴木忠志演出の『リア王』は前にモスクワ芸術座による上演をNHK教育の芸術劇場で見たことがある。今回はドイツ、アメリカ、韓国、日本の4カ国の俳優による上演。リア王を演じたドイツ人俳優の存在感は強烈だった。あのごつさ、モンスターじみた雰囲気。コーディリアを演じた高野綾さんがむちゃくちゃキュートだった。演技中はずっと恐い顔をしているのだけれど。
格子をいくつか組み合わせたシンプルな舞台装置だが、人物の配置と様式感のある動き、衣裳の絢爛さ、そしてそれらを精妙に浮かび上がらせる照明によって、緊張感あふれる洗練美を描き出していた。場面場面の絵の美しさは圧倒的に優れている。役者はそれぞれ自分の母語でシェイクスピアの台詞を語るのだけれど、異なる言語の重なりが不自然に感じられない。ドイツ語や韓国語など各国語の響きが音楽のように重なり合う。しかしSCOT独特の台詞回しが私の睡眠波長とぴったりと合っていたらしく、ドイツ語、韓国語の響きに聞き入っていると知らぬ間に眠り込んでしまっていた。舞台がずっと暗かったのもよくなかったようだ。結局、上演時間の4/5は眠っていたのではないだろうか。眠りに行ったみたいなものだ。眠り質は上々で気持ちよかったが。終幕後のフィナーレの群舞が本編より印象に残るという始末。