閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ゴダール・ソシアリスム SOCIALISM

映画「ゴダール・ソシアリスム」公式サイト

  • 上映時間:102分
  • 製作国:スイス/フランス
  • 初公開年月:2010/12/18
  • 監督:ジャン=リュック・ゴダール
  • 脚本:ジャン=リュック・ゴダール
  • 撮影:ファブリス・アラーニョ、ポール・グリヴァス
  • 出演:カトリーヌ・タンヴィエ、クリスチャン・シニジェ、アガタ・クチュール、ジャン=マルク・ステーレ、アイ・アイダラ、マリー=クリスティーヌ・ベルジエ、ナデージュ・ボーソン=ディアーニュ、マチアス・ドマイディ、カンタン・グロセ、オルガ・リャザーノワ、モーリス・サルファティ、エリザベート・ヴィタリ、マリーヌ・バタジア、レニー・ケイ、パティ・スミス
  • 映画館:日比谷 TOHOシネマズ シャンテ
  • 評価:☆☆
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60年代の作品ならともかく、80年代以降のゴダールの作品は何作か見たがいずれもわからない。ちんぷんかんぷんで置いてけぼり。きれいな女優がいるなあぐらいの印象しか残らない。
たまたま日比谷に芝居を見に行ったのでそのついでに観に行った。映画評のたぐいは絶賛ばかりだし、それに「ソシアリスム(社会主義)」というタイトルに惹かれた。結果はやはり同じだった。とんがってかっこいい雰囲気はわかるのだけれど、作品の内容をどう捉えていいのかわからない。またしても置いてけぼり。数秒から十数分(ぐらいだったと思う)の様々な断章的映像のコラージュで構成された作品。その断片のつながりがわからない。おおまかには時間軸にそって場面毎につないでいるようなのだが、そのつなぎの論理が私には見えない。断片のなかで語られる台詞はアフォリズム風でかっこいいが、登場人物の間で対話はなりたっていない。互いにアフォリズムを投げ合っている感じ。また映像が伝える情報とそこで語られている台詞の内容に断絶がある。複数のジグゾーパズルのピースがばらばらに混じり合ったような感じの映画だった。あの気まぐれで気取った晦渋を楽しむセンスが残念ながら私には欠如している。私のレベルでは相当無理をして見栄を張らないとこの作品を面白がることはできない。
これほど世評高い作品を楽しめないのはナサケナイ感じがするが。