閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

二月文楽公演@国立劇場

公演情報 詳細|日本芸術文化振興会|
<第一部>
芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
    葛の葉子別れの段
    蘭菊の乱れ   
嫗山姥(こもちやまんば)
    廓噺の段
<第二部>
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
    道行詞甘替
    吉田社頭車曳の段
    茶筅酒の段
    喧嘩の段
    桜丸切腹の段

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今月の文楽は三部制。第一部と第二部を続けて見た。
第一部が「芦屋道満大内鑑」と「嫗山姥」、第二部が「菅原伝授手習鑑」。
芦屋道満大内鑑」は陰陽師安倍晴明の出生譚。狐が化けた姫、葛の葉と安倍保名という貴族の間で生まれたという伝承がある。親子三人で田舎で幸せに暮らしていると本当の葛の葉姫がやってきたために、狐は者と姿に戻って森に帰っていったという童話のような幻想譚。後半眠ってしまった。
「嫗山姥」は近松門左衛門作の時代物。妹に敵討ちの先をこされたことを恥じた武将(煙草売りに身をやつしている)が自害すると、その魂が恋人の女郎、八重桐の体内に入り受胎する。受胎した八重桐は怪力のモンスター女になって追っ手を投げ飛ばす。後半眠ってしまった。
「菅原伝授手習鑑」、車引き、賀の祝と賀の祝で桜丸が自害する原因となった桜丸の主君、斎世深奥と苅屋姫の逢い引きの場面が最初に上演された。後半眠ってしまった。

義太夫節のリズムと抑揚がこちらの睡眠周波と重なってしまったようだ。今回はかなり気合いをいれてベストコンディションでのぞんだつもりだったのだが。物語に入り込んでいるうちに、夢うつつの妄想の世界に迷い込み、いつのまにか眠ってしまい、はっと気がついて目を覚ます、といったことを何回も繰り返していた。
しかし文楽、歌舞伎での眠りはどういうわけか気持ちがいい。睡眠の質がいいのだ。目覚めの気分はすっきりしている。とはいうものの半分眠っていたとなれば、いったい何のために劇場に行ったのか。お金と時間がもったいない。