アジア・ミーツ・アジア コラボレーション プロジェクト
- 演出:Zhao Huan、Tong Sze Hong、Wang Mo-lin、大橋宏
- テクスト:魯迅『狂人日記』『希望』;Zhao Chuan「狂人の告白」
- 舞台美術:吉川聡一、山崎久美子
- 照明:阿狩家
- 劇場:森下スタジオC
- 評価:☆☆☆☆
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TAGTAS(Trans Avant-Garde Theatre Association)の企画公演二本を森下スタジオで見た。二作品とも日本人と外国人のパフォーマーや演出家たちの共同公演だった。がちがちの前衛的スタイルの難解パフォーマンスが予想されるので覚悟を決めて観に行ったのだけれど思ったよりは楽しめた。どちらも上演時間が70分ほど。
いずれも極めて特異で晦渋な身体表現が印象的だが、「狂人日記」はダダっぽい混沌と破壊的なエネルギーが強烈で、劇団解体社は痙攣的前衛のおどろおどろしい様式美がすばらしい。ただしいずれもそのパフォーマンスの伝えたいところはまったく私には理解できない。求道者を思わせるストイックな前衛根性にはおおいに賞賛を送るが、あの真面目さとある種の表現上のステレオタイプには前衛的表現に対するパロディのようなものさえ感じてしまった。とはいうものそれぞれ1時間以上、こちらを舞台上の現象に注視させるだけのイメージ喚起力を持つ豊かさがそある。視覚的にも美しくユニーク舞台だった。洗練を決然と拒否するような力強い表現主義が魅力的な舞台だった。