閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

オダサク、わが友

http://www.ocpa-dive.com/2010odasaku.htm

  • 作:北村想
  • 演出:深津篤史(桃園会)
  • 出演:青山祥子、天羽千夜子、石塚博章、大森一広、小笠原聡、

奥座敷夏、菅彩、久保田智美、阪田愛子、佐藤あい、
神藤恭平、杉山寿弥、高橋明日香、戸口基子、はしぐちしん、
濱奈美、速水佳苗、原聡子、福良千尋、田渕法明、
橋本健司、長谷川一馬、亀岡寿行

  • 舞台監督:久保克司
  • 舞台美術:池田ともゆき 
  • 照明:葛西健一
  • 音響:大西博樹 
  • 音楽:ノノヤママナコ
  • 衣装協力:はたもとようこ
  • 劇場:吹田 メイシアター
  • 時間:120分
  • 評価:☆☆☆☆
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北村想の戯曲を桃園会の深津篤史が演出、しかも題材が織田作之助となれば是が非でも見てみたくなる。帰省の日程をこの公演に合わせた。二日間で三回しか公演がない。

織田作之助の生涯を川島雄三というフィルターを通して描き出す演劇的ファンタジーだった。この二人に深い親交があったことを私は知らなかった。川島は織田の作品のいくつかを映画化しているらしい。この他メーテルリンクの戯曲、「青い鳥」が織田作之助の伝記描写に重ね合わされいたり、アナーキスト大杉栄が革命論、恋愛論をオダサクに向かって奇妙な動作とともに話したりするのが印象に残ったが、これらのねらいが私にはよくわからなかった。

核となっていたのはオダサクとその妻一枝の恋愛のエピソードだったと思う。
群衆での合唱の場面もいくつかはいったレトロでロマンチックな雰囲気の芝居だった。 道路標識のようなオブジェを用いた変容していく舞台美術も面白かった。

会場のメイシアターはおそらく500人ぐらい入る大きな劇場だったが客席は8割ほど埋まっていた。 役者の声が聞き取りにくく、台詞を聞き取りにくいことが多かったことにフラストレーションを感じた。役者の演技という点では不満を感じたが、それでも北村、深津という二人の組み合わせだとつまらない作品にはなりようがない。