閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

リミックス2

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  • 作・演出:川西裕介
  • 美術:井上紗彩
  • 宣伝写真:堀奈津美
  • 照明:保坂真矢(Fantasista?ish.)
  • 舞台監督:伊藤智史
  • 音響:田中亮大
  • 衣裳:大竹沙絵子
  • 出演:後藤剛範、加藤岳史、大竹沙絵子、坂倉奈津子、深谷由梨香(柿喰う客)、えみりーゆうな(世田谷シルク)、大塚秀記、根岸絵美(ひょっとこ乱舞)、今村圭祐(Mrs.fictions)、小針まみ(ニャンヤン★シコリータ)、小田尚稔
  • 劇場:王子小劇場
  • 上演時間:1時間50分
  • 評価:☆☆☆☆☆
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第五から第八公演の四作を短編にリミックスしたオムニバス形式の上演だった。リミックスされた四作のうち私は『グロテスク』と『ホテルロンドン』の上演を見ている。上演時間1時間50分。おまけ演劇として『2、3年安泰』の公演が本編上演後にあった。
四編どれも面白かった。どれも実によくできている。ひねくれた皮肉入りの黒いウェルメイド・プレイだった。巧みな展開でひっぱられ、誘導されたあげく、最後にすこっとひっくりかえされる。それが快感。提示される世界観にはポツドールの影響は濃厚だけれども、ポツドール亜流と言ってしまうにはあまりにも出来がいい。そのひねくれぶり、露悪性、毒も含め私は好きだ。どす黒い悪意と薄汚さのフィルタごしに本当に純粋な「愛・青春・死」というあまりにも定型的な主題が透けて見える。

四編とも面白かったが、一番好きなのは『ガールフレンドremix』だ。でも一番出来がよかったのは『グロテスク』かもしれない。グロテスクの最後のダンスはそれまでのくだらない小ネタギャグと露悪的な展開を一気に塗り替えてしまう感動的なものだ。
可愛い女優がたくさん出演していたが、中でも『ガールフレンド』の深谷由梨香のキュートさが強烈だった。妄想されたザ・「彼女」がまさに具現したかのようなかコケットリーにやられた。

おまけ演劇『2,3年安泰』はナンセンス劇の極致。おまけではあるが破壊力抜群だった。いつもおまけ演劇も楽しみなのだけれど、今回は本当に見てよかった。あの馬鹿馬鹿しさ、そしてあのサービス精神、素晴らし過ぎる。
幸せ一杯の気分で帰宅。